先日、在大阪・神戸イタリア共和国総領事マリオ・バァッターニ様のお招きで、イタリア共和国建国記念日を祝う会に、夫婦で出席させて頂きました。 会の冒頭に今回イタリア北部で二度にわたり発災した地震の被災者への黙とうから始まりました。 同じ地震国に住む者としてその恐ろしさを共感し、心よりお見舞い申し上げます。 京都の高台寺近くのこの会場には私自身以前に何度かお邪魔していますが、今までにも増して華やいだ雰囲気に満ちていました。 生歌や生演奏、飛び交う言葉はイタリア語は勿論、仏語、英語そして関西弁。 そうそう、関西で外国公館のこの様な催しは極めて珍しく、来賓の門川京都市長は、同じく来賓の、京都に総領事館を構えるフランス総領事フィリップ ジャンヴィエ・カミヤマ氏に、是非次はパリ祭のお祝いを京都で、とラブコールを送っておられました。
出席されていた方の中でも、優しい笑顔が印象的な男性がおられたので、話しかけてみました。 伺ってみると、マリ共和国出身のウスビ・サコ京都精華大学準教授で、建築がご専門との事でした。 話が進むうちに、日本茶やお出汁(だし)の旨味に付いてどの様に認識なさっておられるかお話を伺ってみました。 勿論在日歴が長く日本通でおられる先生は、その風味に付いて理解なさっておられますが、さてこれを外国の方々に説明するには、どうすれば良いか困りますとの事でした。 この際にと、外国人の方を捕まえては、同じ質問を投げつけてみてもやはり、同じ回答。 旨味は、日本特有の食文化なのでしょうか。
しかし、チーズとお茶のマリアージュに付いて話を進めると、初めは皆さん驚かれるのですが、興味津々というより、一生懸命に自分の考えを語って下さいました。 異国の地にいて、郷土愛とエクゾチックな日本文化への憧れが相乗効果となり、マリアージュの関心を強いものにするのでしょう。 逆に日本人が外国でお茶に付いて語って頂けるように、利招園茶舗も頑張ってまいります。 皆様応援して下さいね。 そして、お茶を買ってくださいなんて言いませんから、一服お茶を利招園茶舗迄飲みに来てください。
バッターニ様とは、昨年秋に行いましたチーズとお茶のマリアージュ体験を、大変雰囲気の有る在京都イタリア公館で行わせて頂いてからのお付き合いです。 有り難くも領事のお知り合いの方々を沢山集めて頂き、多くのご意見を賜りましたお蔭で、チーズとお茶のマリアージュ啓蒙パンフレットも充実したものになりました。 この場をお借りして、改めてご訪問申し上げました、各国領事様・各国関係機関の所長様に御礼申し上げます。
バッターニ様は、あの強烈な個性を持つ青かびチーズ・ゴルゴンゾーラと抹茶の組み合わせの素晴らしさに、驚嘆なさっていたことが記憶に新しく残っています。 その上光栄にも、この組み合わせを本国へレポートして頂いた事は、私共に取って大きな励みとなっております。 そんな総領事様ですがこの度、総領事を離職なさいました。 しかし、日本や京都を愛する心と共に、私達と永遠の絆を持ち続けて下さる事でしょう。
最後になりましたが、バッターニ様におかれましては総領事という重責のもと、イタリア共和国と関西・京都の為にお勤め頂き有難うございました。 私たちはそのご恩を忘れず無駄に致しません。