メルヘンチックな建物と、のどかな田園風景、牧場が広がり牛が気持ち良さそうに散歩しています。頭の中は日本の地震の事と明日の商談会の事で一杯でしたが、おだやかな春の日差しの中に広がる田園風景は私の旅心をやさしく満たしてくれました。
12時。いよいよカンに到着。初めてトラムに乗る。ベルニエ通りで降りました。でも組合のある82番地が見あたりません。思い切って電話し、ペローさんに出てきて頂きました。なんとペローさんは午後からの予定を朝に済ませ、私のために便宜を取りはからって下さったのです。よかった。カンまで来た甲斐がありました。
組合では前もって送ったお茶のサンプルにAOPの4種類のチーズ、リベロ、ポンデック、カマンベール、ヌッフシャテルを合わせて試食する実験をしました。リベロはとても癖のあるチーズで、その癖と、ほうじ茶の香ばしさがよく合うのではないかというペローさんのご意見でした。私はリベロを食べたのがこの時が初めてでしたが、私もペローさんと同意見でした。ポンデベックはカマンベールに似た味ですが、より複雑でやさしい風味で、それが冠茶のまろやかさとよくマッチするとおっしゃいました。
写真は、組合でのチーズと宇治茶のマリアージュの実験の様子。
ペローさんはすごく感受性の豊かな方で、薫りの分析力も抜群に優れていて驚きました。今まではそんなに日本茶に接する機会はなかったそうですが、これをきっかけに宇治茶の愛好家になられたようです。なんだか学ぶことが多くて、胸がいっぱいになりました。
下の写真はペローさん。組合入口で撮影。